フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)

 樹脂や油などの有機化合物がどのような材料であるか分析することができます。

 フーリエ変換赤外分光光度計は樹脂やゴム,油,接着剤などの有機化合物の構造を解析する分析装置の一つで、異物混入や構成部材の材質違いなど製品トラブルの初期段階で目星をつけるために利用されます。
 また、試料の状態や形態により各種ユニットを使い分けることができ、特に顕微赤外ユニットを利用すると数十µm角の微小な物も測定することができます。

装置

フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)

メーカー

日本分光

型式

FT/IR-6300FV, IRT-7000

仕様

波数範囲7,800~150cm-1 / 波数分解能(最高):0.07cm-1
オプションユニット顕微赤外、顕微ATR、顕微RAS、拡散反射、一回反射ATR

分析事例(クリックで各分析事例に移動します)

繊維状異物の同定

  • FT-IRの定性分析により繊維状異物の材質を判別することができます。

    赤外分光分析は測定で得られたスペクトルをデータベースに入っている標準スペクトルと比較することにより材質を判別することができます。

    ここでは、試料に付着していた繊維状異物の材質が何であるか確認しました。 得られた測定結果をデータベースで検索し、比較するとポリアミド(ナイロン)であることがわかりました。

    ■使用機器

    フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
    一回反射ATRユニット

  • 分析結果

    •  
    • <center>測定結果</center>
    • 測定結果
    •  
    • <center>ポリアミド(ナイロン)との比較</center>
    • ポリアミド(ナイロン)との比較

ご利用を希望される方へ

今回のようなスペクトル測定を実施した場合は、下記料金表が適用されます。詳細はお問い合わせください。

試験計測料金

NO.項目単位料金担当部名
K5050フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR) 簡易な測定1試料1条件につき10,230川崎技術支援部

ABS樹脂表面の液状付着物の分析

  • FT-IRの定性分析により、表面に付着する液体の成分を確認することができます。

    ABS樹脂製の部品にクラックが発生した。
    クラック部分に油状の付着物があり、 これがトラブル発生時に近くで使用していたベアリングのグリスであるかを確認した。
  • ■使用機器

    フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
    顕微赤外ユニット
    •  
    • <center>図1 試料像</center>
    • 図1 試料像
  • ■分析結果

    付着物とベアリングに使用されているグリスの赤外吸収スペクトルはかなり似た結果が得られた。
    付着物にはグリスの金属石けんに由来する吸収ピーク(1600cm-1付近)が無い事から、基油(ベースオイル)のみが移行したと推察される。

    •  
    • 図2 付着物とグリスのスペクトル比較
    • 図2 付着物とグリスのスペクトル比較

ご利用を希望される方へ

今回のようなスペクトル測定を実施した場合は、下記料金表が適用されます。詳細はお問い合わせください。

試験計測料金

NO.項目単位料金担当部名
K5050フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR) 簡易な測定1試料1条件につき10,230川崎技術支援部
K5055フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)1試料1条件につき19,800川崎技術支援部
E2021
  • この装置・試験等に関連するお問い合わせ
  • 担当:川崎技術支援部