電磁界シミュレーションによる電磁環境(EMC)の解析・評価

電磁界シミュレーションの特徴

【概要】
無線機器や電子機器の開発における電磁界特性をコンピュータ上のバーチャル空間で解析する装置です。アンテナ、高周波用プリント基板などを開発している方、EMC・ノイズ対策でお困りの方にご利用いただけます。

【特徴・用途】
 3D CADで作成した解析モデルを時間領域(広帯域を短時間で計算;FIT、TLM)または周波数領域(狭帯域を高精度に計算;FEM)で電磁界シミュレーションを行います。アンテナ解析、電子回路基板配線の高周波伝送特性解析、EMC解析などが可能です。電磁界解析と回路シミュレータの連成による高度な解析も可能です(図1)。

【装置名・型番】
解析ソフト:ダッソー・システムズ:SIMULIA CST Studio Suite
ワークステーション:uniV:UNI-XW-621S

【仕様】
 解析手法:有限積分法(FIT)、伝送線路行列(TLM)、有限要素法(FEM)
 解析ソルバ:電磁界(MW Studio)、回路(Design Studio)、ケーブル(Cable Studio)
 CPU/メモリ:Xeon 2.6GHz(16コア)×2/96GB

電磁界解析装置
図1 電磁界解析装置

電磁界シミュレーションによる電磁環境(EMC)の解析・評価

①電磁波シールド効果測定(KEC法・磁界)の解析

測定治具の寸法を実測し、3次元解析モデルを作成しました。

測定値と電磁界シミュレーション結果が良好に一致するため、KEC法の有効性が確認できました(図2)。

電磁波シールド(KEC法・磁界)
図2 電磁波シールド(KEC法・磁界)

②EMC対策の検証

通気口のある金属ケースの電磁波シールド性能をシミュレーションで確認しました。

1GHz以上では金属ケース内で共振が起こり、通気口から強い電磁放射が起こることが確認できました(図3)。

金属ケース通気口からの漏洩電磁波
図3 金属ケース通気口からの漏洩電磁波

③簡易人体モデルによる人体通信の解析

人体を信号の伝送路として通信を行う人体通信(電界型)の電磁界解析を実施しました。

通信時には人体に沿って電界が広がっている様子を確認できます(図4)。

人体通信(電界型)
図4 人体通信(電界型)

ご利用を希望される方へ

このページのご紹介内容は、技術開発受託(受託研究)でご利用いただけます。

詳細は、お問い合わせください。

関連リンク

  1. [pdf]ウェアラブル機器のEMC評価技術に関する検討
  2. [pdf]プリント基板の厚みによる不要輻射への影響
  3. [pdf]低周波のシールド効果における電磁界シミュレーションの検討
  4. [pdf]1GHz 超の電磁波シールド効果の評価方法
  5. [pdf]シミュレーションによる電磁波シールド効果の有効性評価
  6. [pdf]マイクロ波センサを利用した災害救助用探査装置の開発
  7. [pdf]マイクロ波帯域における高感度・広帯域な光電界センサ測定システムの開発

ご活用いただける業種、分野等

この事例は、次の様な方にご活用いただけます。

 ・5G(第五世代移動通信システム)に関連する製品開発を実施したい方
 ・材料メーカー等で電磁波の知識がない方
 ・EMC対策の効果を検証したい方

試作なしに電磁界特性をコンピュータ上で確認できるので、短期間で課題解決の糸口がつかめます。
目に見えない電磁波を可視化することで、問題点の把握が容易になります。

高周波測定、電磁ノイズ試験を担当している職員がシミュレーションを実施しますので、豊富な経験を活用した解析が可能です。

  • この分析事例に関連するお問い合わせ
  • 担当:電子技術部 電磁環境グループ