高速度カメラによる鋼の水焼入れの沸騰蒸気膜の観察
なぜ高速度カメラを用いるのか?
オーステナイト化温度(800~900℃程度)に加熱した鋼を急冷することによりマルテンサイト変態を起こさせる熱処理を焼入れといいます。焼入れでは、できるだけ早く、そしてなるべく内部までマルテンサイト変態を起こさせる必要があるため、急冷時に発生する沸騰蒸気膜による断熱を阻止し、冷却水と、なるべく早く対流状態にする必要があります。
実際の熱処理では材料を振動させたり、冷却中に冷却槽内を撹拌することで沸騰蒸気膜をなるべく早く崩壊させる工夫がとられています。今回、その沸騰蒸気膜が崩壊する様子を高速度カメラにより観察しました。家庭用のビデオカメラでは、1秒間に30コマでの動画なので、高速な動きをスロー再生で観察するには限界があります。今回は、1秒間に500コマの撮影で、スロー再生をして沸騰蒸気膜の観察を実施しました。高速度カメラの詳細は、下記になります。
- 図1 高速度カメラの詳細
- 写真1 高速度カメラの装置一式
分析結果
下記の動画は、1秒間に500コマで撮影した映像を15コマ/秒でスロー再生したものです。
缶コーヒーくらいの大きさの鋼の下の方から、沸騰蒸気膜が、はがれ始めている様子が分かります。
缶コーヒーくらいの大きさの鋼の下の方から、沸騰蒸気膜が、はがれ始めている様子が分かります。
- 動画1 水焼入れの沸騰蒸気膜の様子
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参考・関連リンク
今回の高速度カメラによる鋼の水焼入れの沸騰蒸気膜の観察の事例については、以下の関連ページもご参照ください。
【★動画でご紹介!】高速度カメラによる鋼の水焼入れの沸騰蒸気膜の観察(YouTube公式チャンネル)
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