X線CTスキャン装置による電子基板、電子部品、機械部品等の内部観察、非破壊検査
X線CTスキャン装置の特徴
X線CTスキャン装置は観察対象に様々な方向からX線を投射し得られた透過像を合成することで観察対象内部の構造を断層画像や3次元立体像として得ることができる装置です。観察対象は電気製品、電子部品、はんだ、鋳造品、溶接部、化粧品、食料品、古美術品等さまざまです。
- 図1 X線CTスキャン装置の外観
当所の装置は「直交CTスキャン」と「傾斜型CTスキャン」の2つの方式に対応できる点が特徴です。直交CTスキャン方式は図2(右図)のようにX線源とX線カメラの中間に位置する観察対象をX線の照射方向に対して直交する軸を中心に回転させるため、円筒形や球形の観察対象に適していますが、この方法では電子基板などの板状の観察対象には対応が困難です。一方、傾斜型CTスキャン方式は図2(左図)のように観察対象を水平に回転しながらX線を斜め方向から照射するので板状の観察対象に対しても鮮明で高倍率の透過像を得ることができます。傾斜型CTスキャン方式は電子基板の信頼性評価には欠かせない機能です。
- 図2 直交CTスキャン方式(右図)と傾斜型CTスキャン方式(左図)
以下、この装置による観察事例を紹介します。
〇アルミ鍛造品の空隙分布事例
図3にアルミ鍛造品に空隙が多数発生し強度不足となった例を示します。X線透過像では空隙の存在はわかる程度ですが、直交CTスキャン方式を用いると空隙の3次元的な位置を知ることができ不具合の解決につながりました。
- 図3 アルミ鍛造品の空隙分布事例
〇BGA実装に関する不具合事例
図4は電子基板に実装するBGAタイプのICに発生する未接合(濡れ不良)、アライメント不良、クラックなどの接続不良を傾斜型CTスキャン方式を適用して観察した例です。不具合の発生位置が3次元的に把握できるのでより詳細な評価が可能となります。
- 図4 BGA実装に関する不具合事例
ご利用を希望される方へ
同様の事例については、 試験計測(依頼試験) , 機器利用 でご利用いただけます。
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ご活用いただける業種、分野等
今回のX線CTスキャン装置による電子基板、電子部品、機械部品等の内部観察、非破壊検査の事例については、
精密機器、電子機器、電子部品、医療機器、成型部品等の開発・設計・製造
の皆様におすすめです。
以下のようなお悩み・課題の解決にご活用ください。
・破壊せずに内部の状態を3次元的に調べたい
・様々なものの故障解析や品質確認がしたい
・分解や加工してしまうと状態が変化してしまうものを調べたい
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- 担当:機械・材料技術部 解析評価グループ
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