画像解析およびラマン分光による海辺の砂の粒度分布測定

粒度分布測定でわかること

画像から自動的に粒子の輪郭を抽出して粒度分布を得る「画像解析式粒度分布計」です(図1)。粒子を大量に流通させるフロー式の装置が一般的ですが、当所の装置は光学顕微鏡下で観察する顕微鏡タイプです。装置のハードウェアはラマン分光分析装置で、粒度解析ソフトウェアが搭載されています(よって、通常のラマン分光分析だけを行うこともできます)。フロー式と比べて粒子カウント数が少ないですが、真空分散器によって分散性の良い詳細な観察ができること、および、ラマン分光分析と組み合わせたデータを提供できるのが強みです。

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  • 図1 分析機能付き「画像解析式粒度分布計」(左)と真空分散器(右)
  • 図1 分析機能付き「画像解析式粒度分布計」(左)と真空分散器(右)

粒度解析の流れ

顕微鏡の視野は狭いので(図2(a))、精密XYステージによる画像合成で視野を広げます(図2(b))。その後、二値化して粒子の輪郭を抽出します(図2(c))。この後は画像解析ソフトウエアが、サイズなどの粒子の形状パラメーターを自動的に計測します。
粉末試料だけでなく、透明樹脂に埋め込まれたフィラー粒子の粒度解析が可能な場合もあります。
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  • 図2 粒度解析の流れ (a)一つの視野 (b)画像合成後 (c)二値化後
  • 図2 粒度解析の流れ (a)一つの視野 (b)画像合成後 (c)二値化後

ラマン分析と粒度解析を組み合わせた実施例

ラマン分光と組み合わせて、成分ごとに個別粒度解析した例を紹介します。サンプルは花崗岩が風化してできた海辺の砂で(図3 (a) )、ほとんど石英と長石からなることが、ラマン分析から分かりました(図3 (b) )。図3 (c)は、100μm以上の長石だけを抽出した粒度分布ヒストグラムです。
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  • 図3 (a)光学顕微鏡像 (b)ラマンスペクトル((1)が長石、(2)が石英) (c)長石だけの粒度分布ヒストグラム
  • 図3 (a)光学顕微鏡像 (b)ラマンスペクトル((1)が長石、(2)が石英) (c)長石だけの粒度分布ヒストグラム

ご利用を希望される方へ

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参考・関連リンク

今回の画像解析およびラマン分光による海辺の砂の粒度分布測定の事例については、以下の関連ページもご参照ください。 画像解析式粒度分布計

ご活用いただける業種、分野等

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・3μm以上の粉体粒度解析
・粉体のラマン分光分析
・埋め込みフィラーの粒度解析
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