CAD/CAEシステムによる真空タンクの構造解析
構造解析でわかること
情報・生産技術部 デザイン・設計グループでは、CAD/CAEシステムを用いて、真空タンクの構造解析を行いました。
- 図1 真空タンク(1/2カットモデル)
この解析ではモデル(真空タンク)、荷重条件、拘束条件が全て左右対称なので、図のように1/2にカットしたモデルを利用します。
まず3D CAD(Autodesk Inventor)で3Dモデルを作成し、作成した3Dモデルに対してCAE(ANSYS Mechanical Pro)でメッシュを生成し、材質及び拘束条件、荷重条件、得たい結果(応力、変形量、安全率など)を設定し、計算を行います。
- 図2 メッシュジオメトリ
- 図3 構造解析条件
材質はSS400とし、解析条件は、1/2にカットした断面を""摩擦なし支持""(対称条件)、底面を”固定”とし、真空タンクなので外面全てに0.1MPaの圧力を加えています。
計算時間は、線形解析の場合は数分程度の場合が殆どですが、収束計算を行う場合は更に数倍、非線形解析では数十分から数時間かかる場合があります。
線形解析・・・荷重条件等の入力値を2倍にすると、変形等の出力も2倍となるような、連立一次方程式として表現可能な問題
真空タンクの構造解析結果
結果は数値(最大値、最小値、平均)及びコンター図(等高線図)で確認することが出来ます(以下のコンター図は変形がわかりやすいようにデフォルメしています)。
この図より、上部のリブ部の相当応力が最大となっており、値は358.64MPaだと分かります。
この全変形量の図から、上部のフタの中央部の変形が最も大きく、その値は2.48mmだと分かります。
安全率の最小値は0.697であり、1を下回っているので塑性変形が発生します。
このように構造解析を行うことで、試作をする前に、条件に対して強度が十分であるか、またどの部分が壊れやすいかなどを知ることが出来ます。
- 図4 相当応力分布
この図より、上部のリブ部の相当応力が最大となっており、値は358.64MPaだと分かります。
- 図5 全変形量
この全変形量の図から、上部のフタの中央部の変形が最も大きく、その値は2.48mmだと分かります。
- 図6 安全率分布
安全率の最小値は0.697であり、1を下回っているので塑性変形が発生します。
このように構造解析を行うことで、試作をする前に、条件に対して強度が十分であるか、またどの部分が壊れやすいかなどを知ることが出来ます。
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参考・関連リンク
今回のCAD/CAEシステムによる真空タンクの構造解析の事例については、以下の関連ページもご参照ください。
【★動画でご紹介!】CAD/CAEシステムによる真空タンクの構造解析(YouTube公式チャンネル)
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