ICP発光分光分析法によるRoHS指令に係る有害金属元素分析の分析事例
RoHS指令に係る有害金属元素分析の特徴
WEEE・RoHS指令等に対応するためには、有害無機元素の測定が必要です。
国内家電メーカ各社に対する納入時にも、取引先には化学物質の濃度の把握や不使用の証明が求められます。
KISTECでは、こうした要求に対応するRoHS指令に係る有害無機元素分析を行っています(表1)。

化学技術部化学評価グループでは、ICP発光分光分析装置(ICP-OES、日立ハイテクサイエンス製写真1、写真2)を主に使用して、鉛(Pb)・カドミウム(Cd)などの有害無機元素の分析を実施しています。


ICP-OESは、アルゴンプラズマ(炎状)に溶液試料を導入し、元素から発光される元素特有の光の発光強度を測定することで、試料中の元素濃度を分析する装置です。溶液中の元素を測定することができます。固体試料の場合、酸分解などの前処理(溶液化)をした上で測定します。
RoHS指令分析
主な分析方法として、ICP-OES等を用いています。
蛍光X線分析(XRF)等の簡易分析も実施可能です。
分析方法の規格(IEC 62321等)に準じて分析します。
事例)RoHS指令関連の依頼試験での分析例(平成31年度)
・鉛フリーはんだ中のPb分析(ICP-OES)
・快削黄銅中のCd分析(ICP-OES)
・ネジの六価クロム(Cr6+)溶出試験(吸光光度法)
・金属材料の水銀(Hg)分析(原子吸光分析法)
・電子基板のスクリーニング測定(XRF)
測定例)ICP-OESによる多元素同時測定
マルチ型ICP-OES装置では、多元素を幅広い濃度域にわたって一斉測定が可能です。
混合標準液(各元素濃度0.1 mg/L)の測定結果を図1から図10に示しました。
各グラフの横軸に波長(Wavelength / nm)、縦軸に発光強度を表しました。
RoHS指令のPb・Cdや、アルカリ・アルカリ土類金属などを一括で測定しました。










謝辞)ICP-OESは、公益財団法人JKAによる平成31年度公設工業試験研究所等における機械設備拡充補助を受けて導入しました。

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- 担当:化学技術部 化学評価グループ